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2008.10.15 Wednesday

無題

アシュレたちとノクトの話。





一時保存。
「助かりました。こういう依頼を受けて下さる方ってなかなかいないので・・・」

少女は嬉しそうに、笑いながら言う。

この港町では多くの商人や旅人が行き交うので、護衛の仕事も少なくはない。

ただ、馬車一つ分の荷物と一緒に護衛をする、という仕事はなかなかなかった。

ノクトも仕事から帰ってきてから早々呼び出された次第であった。

「しかしこれだけの荷物・・・私も手伝おうか?」

荷物を馬車に積んでいるのは青年一人で、もう一人の女性はその荷物を一つ一つチェックしているようであった。

「ああ、大丈夫です。アーサーは力持ちですから。それに荷物確認も兼ねているので」

依頼人の三人の中では一番若いアシュレという少女が返事をする。

一見なんでもない、ただの普通の少女だが、三人の中ではリーダーのような存在であるらしい。

「ふふ、でも本当に助かったんですよ?馬車は借りられても私たちでは返しにいけませんし」

「そうだろうね。借り馬車は借りた場所で返すのが基本だから」

「ええ、それに私たちでは信用がなかったみたいで・・・本当にノクトさんがいてくださって助かりました」

仮にも雇い主であるこの少女は、人をファーストネームで呼ぶ癖があるようだ。

その程度ならわざわざ修正する事でもなし、とノクトは思うことにした。

「あら、準備が出来たみたいですね。出発しましょうか」



ノクトは馬の様子、荷物の様子を確認してから御者席に乗り込む。

決して狭いわけではないが、アシュレも御者席にちゃっかり座っていた。

「えーっと・・・」

ノクトが彼女のファミリーネームを思いだそうと頭を駆け巡らせる。

しかし、一度も聞いた覚えがない。

「ああ、私のことはアシュレって呼んで下さい。ファミリーネームはもう、意味がないので」

どう意味がないのか気になるが、依頼者に対して根掘り葉掘り聞くわけにもいかない。

「わかった、アシュレ。ここは危ないから二人と一緒に後ろへ・・・」

「私、お話をするのが好きなんです。あの二人だとあまり話してくれなくて。ノクトさん、お話し相手にもなってくれませんか?」

ノクトの言葉を遮ってアシュレがいう。

断る理由もとくになし、アシュレの言うとおり、ノクトは道中彼女の話し相手をすることになった。



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